山形県では7月から、観光ルートバス「旬・感(じゅんかん)バス」が運行している。県と村山地方の各市町村や民間企業などが組織する「やまがた広域観光協議会」が企画した。月替わりで2ルートを設定、休日を中心に走る。着地での二次交通の充実が課題とされる同県では、バスの運行をきっかけに観光客の利便性を向上させ、県外からの誘客促進を図る構えだ。
旬・感バスは、やまがた広域観光協議会が企画、山交バス(山形市、武田吉則社長)が運行する。運行は7〜10月の休日を中心に、各月6〜12日間を予定。ルートはその季節の見どころを回れるよう、月替わりで各月2コースを設定した。8月は月山銘水館などを通る「月山山麓で遊ぶ」、9月はガイド付き「出羽の古寺めぐり」などのコース。
乗車料金は各コースとも1日限定・乗り降り自由で大人1千円、小学生以下500円。チケットはバス内のほか、上山、天童、蔵王温泉の旅館でも買える。
同ルートバスは乗り合い用バスを使っており座席数は30席程度だが、立ち乗りを含めると「60〜70人乗れる」(県村山総合支庁商工労働観光課)という。だが7月中運行した6日間は、「乗客は4、5人ほど」(同課)と認知度不足は否めない。
同課の渡辺紀子氏は「7月中は知名度不足だったのに加え、夏休み前ということもあり乗客が少なかったのでは。これからが本番」と話す。同県の二次交通対策はこれが初の取り組み。来年の仙台宮城デスティネーションキャンペーンを視野に入れた実験事業として位置付けている。「今年得られた利用者の声をもとに、ルートや料金などを練り上げ、来年に結び付けたい」(同氏)。
県では県観光ホームページ『やまがたへの旅』(http://www.yamagatakanko.com/)で旬・感バスを紹介しているが、今後各ルートごとに立ち寄れるおすすめスポットなどを掲載していく予定だ。